仕込みから1週間『キビナゴの魚醤』経過レポート①:水の上がり方と最初の撹拌

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1. はじめに

先週仕込んだキビナゴの魚醤。

▶︎ 前回の記事:定番のイワシやアジより簡単『キビナゴの魚醤』の作り方

 

「ちゃんと発酵してくれているかな……」と気になっている方も多いのではないでしょうか。

わが家でも最初の頃は、仕込んだ翌日から毎日蓋を開けては覗いていました。

 

1週間目は、魚醤づくりの最初の関門です。

〇水分がちゃんと上がってきているか。

嫌な臭いはしていないか。

〇見た目に変化はあるか。

ここで状態を確認しておくことで、このあとの管理がぐっと楽になります。

 

今回は、仕込みから1週間後の甕の中の様子と、この時期にやるべきことをまとめます。

 

この記事でわかること

✔ 1週間後の甕の中で何が起きているか
✔ 正常・異常を見分ける判断基準(液・匂い・見た目)
✔ 撹拌の頻度と方法、あると便利な道具

 

2. 現在の状態レポート(仕込みから1週間)

水分の上がり方

蓋を開けてみてください。

仕込み直後にはなかった液体が、じわじわと上がってきているはずです。

キビナゴは小型魚で身が柔らかいので、1週間もあれば、塩の浸透圧で全体がうっすら液に浸かるくらいまで水分が出てきます。

ただし、上がり方は仕込む魚の量や塩の量、気温によっても変わります。

目安としては、

液面がキビナゴの上まできている

→ 順調です。まさに理想的な状態です。

キビナゴの半分くらいまで液が上がっている

→ 問題ありません。もう数日待ちましょう。

ほとんど液が出ていない

→ 重石が軽すぎる可能性があります。重石を増やしてください。

 

液が上がるのが遅い場合でも、焦って水を足す必要はありません。

重石の重さを見直すだけで、たいていは改善します。

 

正常と異常の判断基準

1週間目のチェックで確認してほしいのは、次の3つです。

 

✔ 液の色

正常:うっすら琥珀色〜薄い茶色。キビナゴの体液と塩が混ざった色です。

異常:濁りの強い灰色や、泡立ちが激しい場合は腐敗の初期兆候の可能性があります。

 

✔ 表面の状態

正常:液面がきれい、もしくは薄い泡がわずかに見える程度であれば問題ありません。

注意:白い膜が張っている場合は産膜酵母の可能性があります。腐敗ではないので、そこだけスプーンで取り除きましょう。

 

✔ キビナゴの見た目

正常:キビナゴの形がまだ残っている、または少し崩れ始めているかもしれません。

異常:特定の個体だけ明かに黒く変色して溶けているようであれば、その個体だけ鮮度が悪かった可能性があります。

取り除けば問題ありません。

 

1週間目で完全に溶けている必要はまったくありません。

むしろキビナゴの形がまだしっかり残っているのが普通です。

「見た目が変わらないけど大丈夫?」と不安になるかもしれませんが、

塩がじっくり浸透している段階なので、心配はいりません。

この先、撹拌を重ねていくにつれて少しずつ身が崩れ、液化が進んでいきます。

その変化は、1ヶ月後の経過レポートでお伝えします。

 

匂いの変化

蓋を開けた瞬間、塩辛い魚の匂いがするはずです。

仕込み直後の生臭さとは少し違う、塩蔵にした魚特有の落ち着いた匂いに変わっていれば順調です。

 

この時期の匂いの目安

塩辛のような匂い → 正常。問題ありません。

干物に近い香ばしい匂い → 正常。塩の浸透が進んでいる証拠です。

ツンとするアンモニア臭 → 要注意!塩が行き渡っていない箇所があるどこかにあるはずです。

すぐに撹拌して、塩をひとつかみ追加してください。

 

匂いの判断は最初のうちは難しいかもしれません。

迷ったときは「不快かどうか」で判断すると、概ね合っています。

 

塩辛い匂いや魚の匂いは多少強く感じても「不快ではない」ので、それは正常の範囲内です。

鼻をつくような刺激臭がしたら、甕の中では間違いなく何かが起こっている証拠です。

 

3. 撹拌の重要性

撹拌は、塩を均一にして腐敗を防ぐための最も簡単で最も大切な作業です。

仕込みの初期段階では、塩が底に沈んで上部の塩分濃度が下がりやすくなります。

塩分が薄い部分は腐敗菌にとって居心地の良い環境です。

底からかき混ぜることで塩を全体に行き渡らせ、濃度のムラをなくします。

 

頻度と方法

最初の1ヶ月は、3日に1回が目安です。

できれば毎日がベストですが、忙しい日もあるので3日に1回を最低ラインにしてください。

 

やり方はとてもシンプルです。

① 清潔なスプーン(木製でもステンレスでもOK)を用意します。

 

② 底からすくい上げるようにして、全体をゆっくりかき混ぜます。

身を崩そうと激しくかき混ぜる必要はありません。

底の塩を持ち上げるイメージです。

泡立てるように混ぜると空気(酸素)が液中に入り、かえって良くありません。

「ゆっくり、静かに混ぜる」がポイントです。

 

③ 液面にキビナゴが飛び出していたら、スプーンで液中に沈めます。

これが地味に重要です。

ぴょこっと尾が飛び出していたりすると、まず間違いなくカビが発生します。

 

④ 熊笹(または経木)を戻して、押し蓋と重石を元に戻します。

 

所要時間は2〜3分。

習慣にしてしまえば意外と手間には感じません。

 

そして、撹拌に使うスプーンは必ず清潔なものを使ってください。

使いかけの調理器具を使ったり、手で直接触ったりすると、雑菌が混入してしまう可能性があります。

良かれと思って混ぜていても、菌を入れてしまっては本末転倒です。

アルコールではなく、熱湯をササっとかけるくらいで構いませんので、消毒することをおすすめします。

 

撹拌のたびにチェックする3つのこと

混ぜるついでに、毎回この3点を確認する習慣をつけましょう。

 

液の色 → 前回と比べて変化しているか。少しずつ色が深くなるのは正常です。

匂い → 前回と比べて大きく変わっていないか。日ごとに少しずつ変化するのは正常です。

表面の膜 → 産膜酵母やカビが出ていたら取り除きましょう。

 

4. あると便利な道具

仕込みの記事では最低限の道具を紹介しましたが、

経過観察を続けていく中で「これがあると管理が楽になる」と感じた道具を紹介します。

 

重石

ペットボトルに水を入れて代用するのも手ですが、仕込み量が多くなってくると安定しません。

一部だけ液に浸かっても、他が浮いていては元も子もありません。

川原で大きな平らな石を拾ってこれたらいいのでしょうが、そう運よく出会えるものでもありません。

陶器の漬物用の重石は、甕の中にきれいに収まって均一に圧がかかるので、液の上がり方が安定します。

重さの目安は、仕込んだ魚の重量の半分〜同量程度です。

500gの仕込みなら、250〜500g程度の重石が適切です。

 

ただ市販の重石は1㎏以上のものが多く、500g(0.5㎏)の重石はほとんどありません。

軽い重石がみつからない場合は、できるだけ湾曲していない平らな皿の上に、

ペットボトルを分散させてのせるのもありです。

ただそれは長期間みると最善の策ではありませんので、仕込む量を多めにしてでも、

きちんとした重石を使用するのがおすすめです。

 

わが家でも使っている重石は、押し蓋も兼ねているので、わざわざ木蓋を用意する必要がありません。

重石は仕込み量に合わせて選んでください。

重石1kg(楽天市場)仕込み量1㎏~2㎏
重石1.5㎏(楽天市場)仕込み量1.5㎏~3㎏

3㎏以上仕込むこともある場合は、重石自体を重くするよりも、

重石1㎏×2など重石を足していく方が応用力が増すのでおすすめです。

 

 

5. 次回確認までのルーティン

次の経過レポート(1ヶ月目)まで、やることはとてもシンプルです。

3日に1回、2〜3分の撹拌を続けるだけです。

撹拌のたびに液の色・匂い・表面の膜をチェック、それだけで十分です。

 

記録をつけるのが億劫な時でも、とりあえずスマホで甕の中の写真を撮り続けましょう。

わが家では日付入りで写真を撮って、スマホのアルバムに「魚醤」フォルダを作って整理しています。

ノートに書くより、写真を1枚撮る方がハードルが低いのでおすすめです。

 

6. 次回予告

次回は仕込みから1ヶ月目の経過レポートです。

1ヶ月経つと、甕の中の景色がかなり変わってきます。

キビナゴの形が崩れ始め、液の色も深くなり、匂いもまた変化していく時期です。

撹拌の頻度をどう変えるか、表面管理のコツなども含めてお伝えする予定です。

 

▶︎ 【次回】キビナゴ魚醤の経過レポート②:仕込みから1ヶ月 →近日公開予定

 

7. まとめ

1週間目のチェックポイント

液が上がってきているか確認する

キビナゴの半分以上が浸かっていれば順調。液が少なければ重石を見直す。

 

液の色・匂い・見た目で、正常か異常かを判断する

「塩辛のような匂い」は正常。ツンとするアンモニア臭がしたら追い塩をして撹拌を徹底。

キビナゴの形がまだ残っているのは普通。

明かに黒く変色した個体があったら、即座に取り除く。

 

3日に1回の撹拌を習慣にする

底からすくい上げるように混ぜる

 

魚醤づくりは、仕込んだら終わりではありません。

正直にいいますと、以前わが家でも、仕込んでから収穫までほとんど手入れをしなかった時期もあります。

それで上手くいったこともあります。

ただ失敗をくり返してしまった魚もあります。

手入れをしない=何が原因だったのか、どの時点で上手く発酵できていなかったのか、

それが全く分からないということです。

 

最初の1ヶ月は「魚醤を育てる時期」です。

手をかけるといっても、3日に1回スプーンで混ぜるだけです。

コツコツとお世話をする、この小さな手間が1年後の味わいを変えます。

焦らずじっくり、甕の中の変化を楽しみながら見守っていきましょう。

 

道具をまとめて紹介します

▼ 長期熟成には陶器製の甕(かめ)がベスト
陶器製の甕(~2kgくらい)(楽天市場)

▼ 一粒食べると納得する、おすすめの天然海塩
未精製の海塩(楽天市場)

重石も兼ねる万能な漬物用重石
重石1kg(楽天市場)仕込み量1㎏~2㎏
重石1.5㎏(楽天市場)仕込み量1.5㎏~3㎏

3㎏以上仕込むこともある場合は、重石自体を重くするよりも、

重石1㎏×2など重石を足していく方が応用力が増すのでおすすめです。

 

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