完熟まで待って!そら豆の種の正しい取り方と保存方法:発酵調味料レシピ

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はじめに

5月末、主人が真っ黒のそら豆をどっさり抱えて畑から帰ってきました。

「あれ、そら豆全部ダメになってたの?収穫間に合わなかった?」

主人表情をみていると、どうやらそうではないようです。

「いや、わざと付けておいたんだよ。完熟になるまでね。この状態から乾燥させた方がずっと楽なんだ。」

 

そういえば、主人が前から言っていたんです。

「秋に自家製の豆板醤を仕込みたい」って。

でもそら豆の旬は春、秋には手に入らないはず。

おかしいなと思ってはいたのですが、この季節のズレを解決する手段が「乾燥保存」なんです。

春に完熟したそら豆を乾燥させておけば、秋に唐辛子が完熟するのを待って、最高のタイミングで豆板醤が仕込めます。

しかも、乾燥させた種の中から一番いい粒を選んで残しておけば、来年の種にもなる。

来年の種と、秋の豆板醤の材料が同時に準備できる、

まさに一石二鳥、願ってもないチャンスです。

これはやって損はありません。

 

この記事でわかること

✔ 完熟そら豆の見極め方(食べる収穫とは全然違います)
✔ 来年の種と加工用の種、正しい選別の仕方
✔ 乾燥保存のやり方と、虫害対策

 

「完熟」と「食べごろ」は全然違う

普段私たちが食べているそら豆は、まだ「未熟」な状態

莢が緑色で、中の白いワタの部分がふっくらしていて、豆も柔らかい。

スーパーに並んでいるそら豆は、すべてこの状態です。

大豆でいう「枝豆」ですね。

 

でも種を採ったり、乾燥保存したりするためには、

美味しそうな時期をグッと我慢して、莢が真っ黒になるまで収穫を待つ必要があるのです。

 

食べごろの収穫 完熟の収穫(種・乾燥用)
莢の色 緑色でふっくら 黒く変色して乾いている
莢を振ると 音がしない カラカラ音がする
豆の状態 やわらかくてみずみずしい 硬くてカチカチ
用途 茹でて食べる 種取り・乾燥保存

 

いくら種取りが大事だはいえ、全部を完熟させる必要はありません。

畑の中でも上手くできた何株か残しておいて、その分だけ完熟させればいいのです。

 

主人曰く、完熟まで待つことで、豆の中のタンパク質とデンプンが最大限に蓄えられるのだそうです。

このタンパク質が、味噌や豆板醤に仕込んだときの旨味の元になる。

待つことで品質が上がる──

魚醤の熟成と同じ原理ですね。

 

種の選別──来年の種と加工用の見分け方

莢が黒くなったら収穫して、中の豆を取り出します。

ここからが選別の工程です。

 

来年の種にする豆(いい粒を残す)

✔ 莢の中で一番大きくて充実した粒を選ぶ
✔ 傷・虫食い・変色がないもの
おはぐろ(豆の黒い部分)がはっきりしているもの
✔ 表面にしわがなく、つるんとしているもの

 

一番いい粒を種として残す──

これが品種を維持する基本です。

 

そら豆作りの名人だった主人のお祖母ちゃんも言っていました。

「種を買っていたら、いつまで経っても美味しいそら豆はできん。

一番大きくぷっくり育った子を種にしていったら、どんどんいいそら豆が採れるようになるよ。

もともとの土がしっかりしていれば、肥料なんてほとんどいらない。

やり過ぎると虫は寄ってくるわ、茎ばっかり伸びて実は大きくならないわで、いいことなしだよ。」

って、こっそり教えてくれました。

 

ちなみに固定種のそら豆の種って、7粒で500円くらいします。

わが家のように豆板醤を作りたいという明確な目標がある場合、そら豆は自家採種する以外に選択肢はありません。

 

種を継ぐことは、発酵とよく似ています。

一番いい出来の味噌を仕込んだ味噌の上にのせて蓋にする、そうると発酵がうまく進むように、

一番ふっくらと大きく育ったそら豆の種を継ぐ。

毎年一番いい粒を選んで播き続けることで、それぞれの畑の環境に少しずつ合った株が育っていくのです。

種つぎの考え方はこちら(仕込み畑②)にも書いています。

 

加工用(味噌・豆板醤)に回す豆

✔ 種用の選別から外れた粒
✔ 小粒だけど健全なもの
多少の変色があっても、発酵には問題なし

 

主人曰く、

「種にするほど完璧じゃなくても、発酵の原料としては十分。

味噌や豆板醤にしたら、小粒でもちゃんと旨味が出るよ。

気になるとしたら皮の食感かもしれないけど、しっかり水に浸けてから火を入れれば、生のそら豆ほど気にならないと思うよ。」

唯一はじくとしたら、ゾウムシに食べられているものくらいです。

捨てる粒がほとんどないのが嬉しいです。

 

乾燥方法

天日乾燥

① 莢から取り出した豆を、ザルに重ならないように広げます。

直射日光の当たる場所で3〜5日間干します。 ※梅雨に入る前に終わらせてください。湿気でカビが生えます。

③ 1日1回、裏返します。

乾燥の判断基準:爪で押しても凹まない硬さ。割ると断面がガラス質に光る。

「ガラス質に光るってどういう状態?」って訊いたら、実際に1粒割って見せてくれました。

本当にキラキラしていて、飴のような断面でした。

この状態になれば、水分が十分に抜けている証拠だそうです。

 

保存方法

✔ 密閉容器(ガラス瓶やジップロック)に入れる
乾燥剤(シリカゲル)を一緒に入れる
✔ 冷暗所で保管

そら豆の種は適切に保存すれば、3~4年は品質を維持できると書いてあることが多いですが、そら豆作り名人のお祖母ちゃんは2年くらいがいいと言っていました。

 

虫害対策──ここが一番大事です

乾燥そら豆の保存で最も注意すべきは、ゾウムシです。

主人がかなり真剣な顔で教えてくれました。

「そら豆はゾウムシの食害を受けやすい。

乾燥保存中に、豆の内部で幼虫が食い進んで、気づいたときには中身がスカスカになっていることがある。」

ものすごく怖い存在です。

 

ゾウムシの幼虫は、青虫よりもずっと小さいです。

子供とどんぐり拾いをすると、中から出てくることがあります。

どんぐりは煮ることで対処できますが、そら豆は加熱できるのでしょうか。

 

加工用の豆の虫害対策

熱を加える以外にも、冷凍庫で48時間処理すると、中にいる幼虫が死滅するといわれています。

乾燥が完了した豆をジップロックに入れて冷凍庫へ。

48時間後に出して、もう一度しっかり乾燥させてから保存。

味噌や豆板醤に使う加工用の豆は、この方法が安全です。

 

種用の豆の虫害対策

ただし、種として播く豆は絶対に冷凍しないでください。

冷凍すると発芽率が下がる可能性があります。

目視で虫食いのないものを選んで、通気性のある紙袋で保管するのが最も適切です。

もしゾウムシが住み着いている可能性があるそら豆を発見したら、迷わず取り除いてください。

他への食害を防ぎましょう。

加工用 種用
虫害対策 冷凍48時間 冷凍しない(目視選別)
保存容器 密閉容器+乾燥剤 通気性のある紙袋
保存場所 冷暗所 冷暗所(湿気を避ける)

 

まとめ

完熟そら豆は、莢が黒くカラカラになるまで待つ

食べごろの緑色とはまったく違います。

完熟まで待つことで、タンパク質とデンプンが最大限に蓄えられます。

 

一番いい粒を種に、残りを加工用に

一番育ちのいいふっくらとした種を種用にしましょう。

余剰分は味噌や豆板醤の材料にします。

少しくらい傷が付いていたり形が悪かったりしても構いません。

捨てる粒がありません。

 

乾燥保存すれば、秋の豆板醤に間に合う

そら豆の旬は春、唐辛子の完熟は秋。

この季節のずれを、「乾燥保存」が橋渡ししてくれます。

 

乾燥そら豆の準備ができたら、 秋の唐辛子が完熟するのを待って、豆板醤の仕込みに入ります。

 

▶︎ 次の記事:唐辛子の栽培と完熟の見極め(公開予定)

▶︎ 秋の記事:乾燥そら豆+完熟唐辛子で仕込む自家製豆板醤(公開予定)

 

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