こんにちは。
都内で発酵ワークショップnanairo!を主宰しています、マキ太です。
はじめての方は、こちらもどうぞ。
自家製の発酵食品を使った料理は、Twitterでほぼ毎日更新中。
春になると、八百屋さんにそら豆が並び始めます。
天ぷらやかき揚げ、スープなど、
そら豆のレシピはたくさんあり、どれも美味しいですが、
わが家では毎年、自家製の豆板醤を作っています。
いつもお世話になっている千葉の八百屋さんで、
皮が黒くなってしまった訳ありそら豆を、箱で購入したのがきっかけでした。
箱にびっしり入った、大量のそら豆。
何かいい保存方法はないのかと調べて、豆板醤という答えにたどり着きました。
それまでは、冷蔵庫に常備されている豆板醤が、
そら豆を使って作られているとは、知りませんでした。
作り始めてまだ数年ですが、
わが家の炒め物には必ず入っている、万能調味料なんです。
市販の豆板醤には、大豆だけで作られているものも、
実はたくさんあります。
大豆もそら豆も、味噌の材料になる?
そう思って作り始めたのが、そら豆味噌です。
そら豆味噌は、大豆アレルギーがあって、
普通の味噌が食べられない方にもおすすめです。
わが家には、大豆アレルギーの子はいませんが、
その風味のよさに大人がはまってしまい、今ではわが家の変わり味噌の定番になりました。
旬のそら豆で作る変わり味噌『そら豆味噌』の作り方
材料について
そら豆味噌の材料は、そら豆と米麹(糀・こうじ)と塩です。
・米麹 ・・・ 260g
・粗塩 ・・・ 130g
【できあがりの量:およそ1,040g】
すべてグラム(g)表示です。
そら豆について
そら豆は、できるだけさやに入ったものを用意します。
鮮度が落ちやすい野菜ですので、収穫後あまり時間が経っていないものがおすすめです。
もし近くで新鮮なそら豆を購入できない時は…
こだわりの野菜を選ぶのは、食べチョクがおすすめ。
✔ 農薬化学肥料不使用 のそら豆も。
そら豆は鮮度が一番大事です。
農家の方から直接送っていただけるのは、何より安心です。
→食べチョクのホームページはこちら
麹について
米麹とは、蒸したお米に麹菌を合わせて繁殖・発酵させたものです。
米に花が咲いたように見えることから、「糀」とも書きます。
麹菌は2006年に日本醸造学会で国菌に認定された、日本にしかいない特別な菌です。
わが家で使っているのは、麹屋さんから買ってくる生米麹です。
ご主人に欲しい枚数をお伝えすると、地元産の杉でできた麹箱から、
「ゴリゴリ、ゴリゴリ…」と剥がして、袋詰めにしてくれます。
米麹には、麹屋さんで購入する生麹と、
生麹を低温で乾燥させて水分を飛ばした乾燥麹がありますが、
✔ 水で戻す必要がなく、そのまま使うことができる
✔ 冷蔵で1週間、冷凍で半年程保存できる
これらの理由から、生麹を使っています。
米麹も、日本酒と同じように、
使っているお米や精米歩合によって、驚くほど風味が異なります。
わが家も何件もまわり、ようやく今の麹屋さんに出会いました。
米麹は、酒屋さんでも取り扱っているところがありますので、
食べ比べてみるのも面白いです。
塩について
次に、保存性を高めるために重要な役割を果たす塩ですが、
精製された塩ではなく、ミネラルが豊富に含まれる粗塩を選んでいます。
平釜でじっくり炊き上げられた昔ながらの塩は、
素材との馴染みがよいと言われています。
そら豆味噌の材料の割合は、わが家で毎年仕込んでいる米味噌を参考にしました。
わが家では、大豆1:米麹1:塩0.5の割合で仕込みます。
乾燥大豆は、18~24時間しっかり吸水させると、
平均して2.7倍ふくらみます。
そら豆味噌は、生のそら豆を使います。
吸水はぜず、そのまま蒸しますが、
蒸した前と後では、ほとんど重さに変わりはありませんでした。
そのため、今回のそら豆味噌は、
そら豆5:米麹2:塩1の割合で仕込みます。
・米麹 ・・・ 260g
・粗塩 ・・・ 130g
【できあがりの量:およそ1,040g】
すべてグラム(g)表示です。
レシピ
①そら豆をさやから出します。
今回用意したそら豆は、2kg。
さやから出したら650gと、全体のおよそ33%でした。
②蒸し器を用意し、お湯が沸騰したらそら豆を入れ、およそ20分中火で蒸します。
③そら豆を蒸している間に、袋を使って、塩きり麹を作ります。
麹のかたまりをよくほぐし、塩をムラなく混ぜ合わせることが大切です。
塩きり麹にしておくことで、1週間ほど常温での保存が可能となります。
※塩が手に直接触れてしまうと、ヒリヒリしてしまうことがあります。
袋が破れないように注意してください。
④粗熱がとれたら、そら豆をつぶします。
手でつぶす場合は、食感も悪くなってしまうため、
薄皮もむきます。
わが家では、ミンサーを使って、
薄皮も一緒に細かくつぶしています。
味噌作りでも大活躍のミンサー、
ディスクを細目にすることで、薄皮もより細かくなり、
なめらかな食感になります。
④ミンサーで細かくしたそら豆と、塩きり麹を混ぜ合わせます。
塩きり麹を作った袋にそら豆を入れ、
全体がなじむように、混ぜ合わせます。
それから保存する容器に入れ、大きめのスプーンなどを使って、
練るように混ぜ合わせます。
味噌のように、なめらかになったら完成です。
⑤表面を平らにし、その上から酒粕(分量外)で蓋をします。
ラップだけでもいいのですが、米味噌の時と同じように、
酒粕で蓋をしています。
最後の仕上げに、食品用アルコール(焼酎も可)を含ませたキッチンペーパーを使って、
容器の内側をきれいに拭きます。
※カビの発生の大半は、空気に触れているところなんです。
拭き終えたら、空気を抜きつつ、
表面にラップをかけます。
味噌と同じように、重石(ペットボトルなどで代用可)をして、
仕込みは完了です。
重石は、2倍くらいの重さのものを用意します。
保存について
そら豆味噌は、豆の種類は違いますが、
麹を使った味噌という点では、米味噌と同じです。
ひとつ違いがあるとすれば、仕込むタイミングです。
冬の寒い時期に寒仕込みをする味噌とは違い、
5月というと、気温が20度を超える日もあります。
保存場所は、直射日光と高温多湿を避けた、
家の中で1番涼しい場所を選ぶようにしています。
マンション暮らしのわが家では、北側の納戸が味噌部屋です。
食べ始めの時期
そら豆味噌は、比較的暖かくなってきてから仕込むこともあり、
味噌よりも、発酵が早く進みます。
9か月頃に、一度味見をしてみるのがおすすめです。
好みの味に仕上がっていたら、完成です。
天地返しについて
天地返しですが、わが家では、
ほとんどした事がありません。
天地返しは、発酵の進んでいるところと遅いところを均一にするため、
仕込んで3か月頃にする、と言われています。
天地返しは絶対にしない‼
と、こだわりがある訳ではありませんが、
これまで天地返しをしなくてもおいしくできているので、
外側からみて特に問題なさそうな時は、そのまま様子をみています。
材料を代える
米麹ではなく、玄米麹や麦麹で作ったらどうだろう?
生のそら豆ではなく、乾燥そら豆で作ったらどうだろう?
色々チャレンジしてみる価値は、ありそうです。
いい材料が手に入ったら、わが家でもチャレンジしてみたいと思います。
また、唐辛子を加えて作ることもできます。
それが、豆板醤です。
その時は、塩の量を少なめに調整しています。
一般的な味噌も豆板醤も、そのほとんどが、
大豆を使って作られています。
自家製のそら豆味噌や豆板醤は、大豆アレルギーで、
市販のものが食べられない方にも、おすすめです。
※そら豆のアレルギーに関しては、確認してください。
まとめ
そら豆味噌
仕込み時期
4月~5月
難易度
難しい ☆☆☆★☆ やさしい
味噌より簡単‼
仕込みにかかる時間
60分
保存
味噌と同じように保存
塩ゆでや、焼いただけでもおいしいそら豆。
そら豆味噌は、旬のフレッシュな野菜たっぷりで作る、
贅沢な変わり味噌です。
色もきれいで、風味もいい‼
どんな料理に使おうか、考えるのが楽しみな発酵調味料です。
できるまでに時間がかかるそら豆味噌、
すぐに食べたい‼
そんな方へ、こだわって作られている市販のものもあります。
私も実際に購入してみました‼
そら豆味噌を仕込んだ1年後
そら豆味噌、1年後の様子です。
そら豆を使ったおすすめレシピ
そら豆味噌と、ほぼ同じ材料でできる発酵ずんだ、
8時間で完成するレシピです。
今回使った、おすすめのキッチン用品
weckのキャニスター
サイズも豊富で、使い勝手も◎
そら豆味噌や豆板醤には、Tulip Shape 1,000mlがおすすめ。
口が広いので、重石を楽にすることができます。
※そら豆~600gにちょうどいいサイズです。
こだわりの材料を選ぶのは、食べチョクがおすすめ。
✔ 農薬化学肥料不使用 のそら豆もあります。
実は食べチョクは、野菜だけではないんです。
「自然栽培のお米で作った米麹」や「搾りたての吟醸酒粕」など、
季節によっては、手作りの発酵食品作りに使ってみたいものがたくさんあります。
生産者の方から直接送っていただけるのは、何より安心です。
youtubeに、『nanairo!チャンネル』ができました!
まだまだ動画は少ないですが、
自家製の発酵食品の作り方や、それを使ったレシピを公開していく予定です。