こんにちは。
都内で発酵ワークショップnanairo!を主宰しています、マキ太です。
はじめての方は、こちらもどうぞ。
自家製の発酵食品を使った料理は、Twitterでほぼ毎日更新中。
5月中旬の週末、
主人の実家に行くと、ちょうどそら豆の収穫時期でした。
おじいちゃんが大切に育てたそら豆を、収穫させてもらえることに。
2月頃には、きれいな紫色の花が咲くそら豆ですが、
収穫する5月には、こんなに立派に成長します。
大きいものは、先に採ってしまったようで、
小さくて、かわいいサイズのそら豆が多かったです。
子ども達も「そら豆って、こんな風になってるんだ‼」って、
マンション暮らしのわが家には、ありがたい収穫体験です。
青虫やてんとう虫もいました。
小さいそら豆をむいてみると、枝豆よりもちょっと大きめサイズの豆が、
ふわふわの皮に包まれて、入っていました。
沢山あるけど、一粒一粒は小さめ…
これはどう料理しようか。
そうだ、ずんだを作ろう‼
ずんだとは、枝豆(茶豆)をすりつぶして作るペーストで、
山形育ちの私には、懐かしい味でもあります。
「じんだん」「ぬた」とも呼ばれています。
枝豆でできるなら、そら豆でもできるかも⁉
ちなみに、ずんだに似ているものに、
うぐいす餡があります。
完熟した青エンドウ豆を乾燥させたもので作られ、
和菓子やパンの材料として使われます。
生のグリンピースで作ることもできるようです。
うぐいす餡は、次回作ってみることにして…
今日の本命、ずんだ。
本来ずんだは、茹でた枝豆をすりつぶし、
砂糖と少量の塩を混ぜ合わせて作ります。
同じようなペースト状のものに、あんこがありますが、
こちらは、小豆(あずき)に砂糖と少量の塩を加えて、
1時間以上かけて、じっくり炊いたものです。
作り方は違いますが、どちらもお餅やお団子にすると、
とっても美味しい‼
でも、
砂糖をたっぷり使うのは、抵抗がある…
今回は、発酵あんこにならって、
砂糖を使わずに、米麹の自然な甘みを生かした、
発酵ずんだを作ります。
生のそら豆を使って、発酵ずんだの作り方
材料
ずんだの材料は、枝豆と砂糖と塩です。
今回は、枝豆の代わりにそら豆を、
砂糖の代わりに米麹(糀・こうじ)を使います。
・生米麹 ・・・230g(そら豆と同量)
・水 ・・・115g(米麹の半量)
・粗塩 ・・・ひとつまみ
【できあがりの量:およそ460g】
すべてグラム(g)表示です。
そら豆について
そら豆は、できるだけさやに入ったものを用意します。
鮮度が落ちやすい野菜ですので、収穫後あまり時間が経っていないものがおすすめです。
もし近くで新鮮なそら豆を購入できない時は…
こだわりの野菜を選ぶのは、食べチョクがおすすめ。
✔ 農薬化学肥料不使用 のそら豆も。
そら豆は鮮度が一番大事です。
農家の方から直接送っていただけるのは、何より安心です。
→食べチョクのホームページはこちら
麹について
米麹とは、蒸したお米に麹菌を合わせて繁殖・発酵させたものです。
米に花が咲いたように見えることから、「糀」とも書きます。
麹菌は2006年に日本醸造学会で国菌に認定された、日本にしかいない特別な菌です。
わが家で使っているのは、麹屋さんから買ってくる生米麹です。
ご主人に欲しい枚数をお伝えすると、地元産の杉でできた麹箱から、
「ゴリゴリ、ゴリゴリ…」と剥がして、袋詰めにしてくれます。
米麹には、麹屋さんで購入する生麹と、
生麹を低温で乾燥させて水分を飛ばした乾燥麹がありますが、
✔ 水で戻す必要がなく、そのまま使うことができる
✔ 冷蔵で1週間、冷凍で半年程保存できる
これらの理由から、生麹を使っています。
米麹も、日本酒と同じように、
使っているお米や精米歩合によって、驚くほど風味が異なります。
わが家も何件もまわり、ようやく今の麹屋さんに出会いました。
米麹は、酒屋さんでも取り扱っているところがありますので、
食べ比べてみるのも面白いです。
塩について
次に、保存性を高めるために重要な役割を果たす塩ですが、
精製された塩ではなく、ミネラルが豊富に含まれる粗塩を選んでいます。
平釜でじっくり炊き上げられた昔ながらの塩は、
素材との馴染みがよいと言われています。
砂糖について
グラニュー糖で作ると、色がきれいに出ます。
ただ、白砂糖をあまり使わないわが家では、
北海道のてん菜から作られたてんさい糖や、
沖縄や鹿児島のさとうきびから作られた粗糖を使っています。
まずは、家にある砂糖で試してみてください。
・生米麹 ・・・230g(そら豆と同量)
・水 ・・・115g(米麹の半量)
・粗塩 ・・・ひとつまみ
【できあがりの量:およそ460g】
すべてグラム(g)表示です。
レシピ
発酵あんこは、炊飯器やヨーグルトメーカーを使い、
温度を60度くらいに上げる必要があります。
麹の糖化によって、甘味が生まれます。
わが家には、炊飯器がないので、
ヨーグルティアを使います。
①そら豆をさやから出します。
毎回さや付きのそら豆を使っていますが、
さやから出すと、そら豆の重さは、
全体の3割程度になります。
②蒸し器を用意し、お湯が沸騰したらそら豆を入れ、およそ20分中火で蒸します。
③粗熱がとれたら、そら豆をつぶします。
手でつぶす場合は、食感も悪くなってしまうため、
薄皮もむきます。
わが家では、ミンサーを使って、
薄皮も一緒に細かくつぶしています。
味噌作りでも大活躍のミンサー、
ディスクを細目にすることで、薄皮もより細かくなり、
なめらかな食感になります。
小さい頃の記憶では、おばあちゃんは大きなすり鉢を使って、
枝豆をすりつぶしていました。
現代においては、フードプロセッサーでもいいのかもしれません。
④ヨーグルティアの容器を消毒し、米麹を入れます。
生米麹は、かたまりになっていることがあるので、
よくほぐしておきます。
⑤そら豆と水と塩を入れ、全体を混ぜ合わせます。
⑥ヨーグルティアを、『60度・8時間』にセットします。
途中2回ほど、スプーンで混ぜます。
※上の部分が、乾いてしまうことがあります。
4時間経過、まだしっとり感はありません。
8時間後
ペースト状になりました。
発酵ずんだのできあがりです。
粗熱が取れたら、冷蔵庫で保存します。
肝心の味はというと…
「ほんのり甘さを感じる、これがずんだ…⁉」
という感じ。
砂糖の甘さがないからか、食べ慣れている本物のずんだとは、
かなり味も違います。
味見をした主人が、
「う~ん、砂糖入れて欲しいかなぁ。」
というので、主人の分は潔く砂糖を追加しました。笑
味の好みは分かれますが、ずんだに限りなく近いペーストはできます。
✔ 砂糖をできるだけ使いたくない
✔ 味噌作りの時の麹が余っている
✔ 旬のそら豆や枝豆を使って、お菓子作りをしてみたい
一度作ってみる価値ありです‼
まとめ
発酵ずんだ
つくる時期
4・5月
難易度
難しい ☆☆☆★☆ やさしい
ヨーグルトメーカーがあると簡単‼
かかる時間
1時間(仕込み)+8時間(待つ)
保存
冷蔵
発酵ずんだを作ってみて、気が付いたことが2つ。
まず1つ目が、材料がそら豆味噌とほぼ同じなんです。
そら豆味噌は、1年かけてじっくり発酵させて作ります。
ずんだは、8時間という短い時間で作ります。
材料は同じでも、全然違うものになるんです。
「麹ってすごいなぁ~。」と改めて感じました。
そしてもう1つ。
発酵ずんだって、米麹甘酒とすりつぶしたそら豆を混ぜ合わせたら、
もしかしたら一瞬でできるかも⁉
気が付くのが、ちょっと遅かったですね…笑
究極の時短発酵ずんだ、
それは、次回のお楽しみ。
また、材料の米麹を玄米麹に代えてみても、
風味が変わっておもしろいかもしれません。
いい材料が手に入ったら、チャレンジしてみようと思います。
そして、夏こそ本番‼
枝豆を使った発酵ずんだを作ります。
発酵ずんだを使ったレシピ
ずんだは、和菓子の材料と思われがちですが、
最近では、シェイクやアイスなど、
色々なスイーツにも使われています。
今回使った、おすすめのキッチン用品
こだわりの材料を選ぶのは、食べチョクがおすすめ。
✔ 農薬化学肥料不使用 のそら豆や枝豆もあります。
実は食べチョクは、野菜だけではないんです。
「自然栽培のお米で作った米麹」や「特別栽培認証のもち米」など、
手作りの発酵食品作りに使ってみたいものがたくさんあります。
私の大好きなヒメノモチも‼
生産者の方から直接送っていただけるのは、何より安心です。
youtubeに、『nanairo!チャンネル』ができました!
まだまだ動画は少ないですが、
自家製の発酵食品の作り方や、それを使ったレシピを公開していく予定です。