こんにちは。
都内で発酵ワークショップnanairo!を主宰しています、マキ太です。
はじめての方は、こちらもどうぞ。
自家製の発酵食品を使った料理は、Twitterでほぼ毎日更新中。
6月上旬、
梅雨も目前です。
そろそろ梅仕事も気になる時期。
週末、千葉の八百屋さんに寄ってみると、
地元産の梅がちょうど出始めていました。
その隣には、夏に旬をむかえる野菜がたくさん並んでいます。
ヤングコーンや新にんにくなど、
この時期だけ楽しめる野菜もあります。
その中に、ちょっと訳ありのはぐら瓜(ハグラウリ)が。
形も大きさもバラバラですが、
前から作ってみたかった、鉄砲漬けにチャレンジすることにしました。
はぐらうりの鉄砲漬けの作り方:10日で完成する千葉の郷土料理レシピ
鉄砲漬けは、千葉・成田の伝統的なお漬物です。
成田には、成田山新勝寺があり、
全国からたくさんの参拝者が訪れます。
お土産としても有名な鉄砲漬け。
鉄砲漬けの名前の由来。
種をとった瓜に、しそを巻いた青唐辛子を入れる様子が、
鉄砲に火薬を詰める姿に似ていることから名付けられた、
と言われています。
材料について
鉄砲漬けの材料は、白瓜と青唐辛子と青じそ、塩と醤油をベースにした調味液です。
老舗のお漬物屋さんの鉄砲漬けを参考にして、自宅にある材料で作ってみました。
・塩 ・・・63g(はぐらうりのおよそ3%)
・青じそ(大葉)・・・はぐらうりと同じ(今回は11枚)
・青唐辛子・・・青じそと同じ(今回は11本)
・醤油・・・120g
・本みりん・・・120g
・砂糖・・72g(醤油の6割)
※2度漬けする場合は、醤油・本みりん・砂糖がそれぞれ2倍
すべてグラム(g)表示です。
はぐらうりについて
はぐらうりは、主に千葉で栽培されている、
白瓜の一種です。
収穫時期は、5月~9月頃と、
比較的シーズンは長めです。
はぐらうりに限らず、ウリ科の野菜は中がとてもやわらかく、
鮮度も落ちやすいのが弱点…
特に、表面にへこみがあると、
中の実の部分がダメージを受けていることがあります。
1つずつ選ぶ場合は、
表面に傷やへこみがなく、
みどりの皮の部分にツヤがあるものを選ぶようにしています。
塩について
次に、保存性を高めるために重要な役割を果たす塩ですが、
精製された塩ではなく、ミネラルが豊富に含まれる粗塩を選んでいます。
平釜でじっくり炊き上げられた昔ながらの塩は、
素材との馴染みがよいと言われています。
砂糖について
白砂糖をあまり使わないわが家では、
北海道のてん菜から作られたてんさい糖や、
沖縄や鹿児島のさとうきびから作られた粗糖を使っています。
今回は、粗糖を使います。
みりんについて
わが家では、千葉の白味醂(みりん)を使っています。
国産のもち米を使って、昔ながらの製法を守り続けている本みりんです。
本みりんには糖類が添加されているものと、もち米の甘味のみで作られているものがあります。
佐倉・馬場本店酒造の「最上白味醂」や野田・窪田酒造の「流山本みりん」は、
どちらも糖類などの添加のない伝統的な本みりんです。
今回は、最上白味醂を使います。
・塩 ・・・63g(はぐらうりのおよそ3%)
・青じそ(大葉)・・・はぐらうりと同じ(今回は11枚)
・青唐辛子・・・青じそと同じ(今回は11本)
・醤油・・・120g
・本みりん・・・120g
・砂糖・・72g(醤油の6割)
※2度漬けする場合は、醤油・本みりん・砂糖がそれぞれ2倍
すべてグラム(g)表示です。
レシピ
①はぐらうりを水でよく洗います。
②両端を切り、スプーンなどを使って種を取りのぞきます。
切り口がせまい場合は、小さいティースプーンやデザートナイフを使って、
種を出します。
また、今回は形が変わった瓜も一緒に漬けます。
ひょうたん型の場合、上の部分には種がありませんので、
反対側の端だけを切っています。
種をきれいにとったはぐらうり、
全部で11本、およそ2,100gです。
③漬物用の大きめのポリ袋の中に、はぐらうりと塩を入れます。
塩がまんべんなく混ざるようにします。
④重石をして1日待ち、水があがってくるのを待ちます。
重石は、2倍くらいの重さのものがおすすめです。
はぐらうりがしっかり漬かるくらいの水分が出たら、
重石の量を半分に減らします。
1週間ほど、塩漬けにします。
ー1週間後ー
袋を開けてみると、
少しすっぱい匂いがしてきました。
はぐらうりを出してみると、大分しんなりしてきました。
表面に白い膜のようなものができる場合がありますが、
水で流してみて、匂いがおかしくなかったので、
そのまま使います。
おそらく産膜酵母かと…
⑤はぐらうりを水でさっと流し、キッチンぺーパーなどで水気をとります。
拭き終わったら、はぐらうりを漬ける調味液を作ります。
⑥小さい鍋に本みりんと砂糖を入れひと煮立ちさせ、最後に醤油を加えてさっと加熱します。
砂糖の溶け残りがないかを確認して、しっかりと粗熱をとります。
味見をしてみると、煮物に使うにはちょっと甘め、
みたらし団子のたれのような味がします。
⑦青唐辛子を青じそで包みます。
青唐辛子もそろそろ出始めていますが、
今回は、冷凍庫にあったものを使いました。
わが家では、よく三升漬けを作るので、
冷凍庫に大量の青唐辛子があります。
ちなみに、青唐辛子は
3・4か月ほど冷凍保存が可能です。
⑧はぐらうりの穴になっているところに、青唐辛子を入れます。
中に詰める前に、しっかりしぼります。
できるだけ真ん中に入れます。
⑨新しい漬物用のポリ袋に、はぐらうりと冷ました調味液を入れます。
⑩はぐらうり全体が調味液に浸るように軽く重石をして、3日漬けます。
袋を開けると、すっぱくて甘い、
漬物特有の香りがします。
鉄砲漬けは、洗わずにそのまま切って食べます。
食べてみると…
しょっぱすぎず、甘すぎず、
ちょうどいい感じ!
冷凍していた青唐辛子を、種が入ったまま漬けたので、
ーうぉ!辛い!!
となるのかと思いましたが、
意外とマイルドな辛さで、子供たちも食べることができました。
ちょうどいい漬け具合になったので、冷蔵庫に入れて保存します。
このままでも食べられますが、保存性を高めるため、
半分は新しい調味液に漬けてみます。
⑪1回目と同じように調味液を作り、さらに5日漬けます。
この時も、新しいポリ袋を使います。
また調味液も、しっかりと冷ましてから入れます。
さらに色が濃くなってきました。
食べてみると…
\食べやすくなってる!!/
色は濃くなっていますが、みたらし団子のようなたれがよかったのか、
しょっぱくはなっていません。
酸味もぐっと減り、よりマイルドな味わいに♪
同じタイミングで、調味液をかえなかった
1度漬けの鉄砲漬けを食べましたが、
酸味がより強くなっていました。
保存性と食べやすさを考えると、
「2度漬け」「漬けだれと一緒に冷蔵庫保存」がおすすめです。
もちろん、
すぐに食べたい!すっぱいのが好き!
そんな時は、1度漬けでも美味しく食べることができます。
唐辛子の種類をかえてみました
はじめの2回は、冷凍保存していた青唐辛子を使いました。
辛さはそれほど気になりませんでした。
3回目、
ー唐辛子を2本入れたらどうだろう?
と思い、試してみました。
結果、
ものすごく辛くなりました!!
鉄砲漬けもそうですが、漬ける調味液まで辛くなってしまいました。
\青唐辛子の量は、1本が正解です。/
そして4回目、
今度はプランターで育てていた、フレッシュなハラペーニョを入れてみました。
こちらは、激辛でした。
まわりのウリだけ食べました…
わが家では、青唐辛子をまとめて購入することが多いですが、
「辛くない」は鉄砲漬けには向かないかもしれませんが、
青唐辛子も一緒に食べるので、
「辛さ控えめ」がいいかもしれません。
また色々な唐辛子を使って、漬けてみます。
↑こりないマキ太。
まとめ
はぐらうりの鉄砲漬け
漬ける時期
5~9月
漬け時間
塩漬け1週間
調味液1回目:3日
調味液2回目:5日~
保存
塩漬けと調味液1回目:常温
調味液2回目以降:冷蔵
(夏場は、調味液1回目から冷蔵保存がおすすめ)
鉄砲漬け、
今回はじめて作ってみましたが、思っていた以上に食べやすく、
わが家の定番になりました。
日持ちがどのくらいするのかは分かりませんが、
今のところ、2か月程食べています。
甘くてちょっとすっぱい鉄砲漬けは、
\結構クセになります!/
暑い夏には、冷たいお茶漬けにしてもよさそうです♪
実は鉄砲漬けは、長野や山形などでも、
郷土料理として親しまれています。
中に詰める野菜もさまざま、
漬けだれも醤油ベースではなく、
粕漬け(酒粕)や味噌漬けにすることが多いようです。
ウリが美味しい夏の時期に、色々作ってみようと思います。
はぐらうりや青唐辛子を使ったおすすめの一品
はぐらうりで作る、本しば漬け。
赤紫蘇(しそ)の収穫がはじまる、夏におすすめのお漬物です。
浅漬けでも美味しい、はぐらうりのぬか漬け。
サラダ感覚で食べられる一品です。
塩辛な好き人は絶対好き‼ピリっと辛い、三升漬け。
イカを入れるとさらに美味しい‼
一度食べたら、必ずリピートしてしまう、
ご飯にもお酒にも合う一品です。
今回使った、おすすめの調味料
最上白味醂
国産のもち米を使って、江戸時代から手造りの製法を守っている、伝統みりん。
糖類の添加のない、本みりんです。
わが家では、和食はもちろん、
「マスタード」や「焼肉のたれ」など、自家製の調味料作りにも欠かせないアイテムです。
ちなみに、
一緒に購入したヤングコーンは、グリル焼きにしました。
新にんにくは、にんにく味噌に。
おにぎりにつけると、何個でも食べらます!
こだわりの材料を選ぶのは、食べチョクがおすすめ。
✔ 農薬化学肥料不使用 など、こだわって育てられているものばかり。
摘果メロンやヤングコーンなど、皮ごと使うことが多い野菜は、
栽培方法も気になります。
お漬物にピッタリの青唐辛子や瓜も、生産者の方から直接送っていただけるのは、
何より安心です。
↑ちょうど摘果みかんの季節です。
youtubeに、『nanairo!チャンネル』ができました!
まだまだ動画は少ないですが、
自家製の発酵食品の作り方や、それを使ったレシピを公開していく予定です。