10月になりました。
金木犀(キンモクセイ)のほのかな香りに、秋の訪れを感じます。
昨年は途中グッと寒くなったからか、都内では金木犀が2回咲いたんです。
今年もそうかなぁーなんて期待していると、ついつい遠くまで足を延ばしたくなりますね。
さて、末っ子の夏休みの宿題だった「野菜の観察日記」。
ミニトマト、ナス、ピーマン、キュウリなどもあったようですが、
ネバネバ好きの彼女が選んだのは「オクラ」でした。
5月にせいかつの授業で種を蒔き、順調に(枯れずに)育っていたものの、
8月になっても花をつけず、実が生る気配がまったくありませんでした。
そのため、観察日記は2枚とも葉の様子だけしか描けず、
「畑に植え直してあげればよかったのかな…」と、ほぼ諦めモードになっていたんです。
それがなんと!
9月中旬になり、ようやく実をつけ始めたのです。
(パパがそっと土と米ぬかを足してくれていたみたいです。)
大喜びの末っ子。
「やったー!半分あげるね。」と、小さいオクラをさらに細かく刻んで、
採れる度に家族みんなに配ってくれます。
3輪目が咲いた時に、長女(小5)が末っ子(小2)に、
「オクラは同じ花の中に雄しべと雌しべがあるからね、人工受粉しなくてもいいんだけど、
ちょっと中見てみる?」と、花の中をそっと開けて説明してくれました。
「ここに付くと実が生るんだよ。でもね…
人工受粉って、いびつな形になりやすいんだって。
だからいちごとかりんごも、蜂を飼って受粉を手伝ってもらうんだよ。」
へぇーそうなんだ!
本好きの長女は、活字から情報を得るのが物凄く上手なんです。
本以外にも、社会の資料集だったり、
テストの裏のコラムだったり、ジャポニカ学習帳の後ろのページにある「学習百科」だったり、
活字という活字はすべて読まないと気が済まないタイプ。
ジャンルは問わず、マニアックな知識を色々なところで入手しているだけあって、
大人(私)が知らないことも教えてくれます。
(活字マニアは完全にパパ譲り、あぁ、私も小さい時そんな子だったらなぁ…)
「オクラも、変わった形になったら面白くない?」って、
それが正解か間違いかというより、知っていることを試してみたい!って、
ただただそれが楽しいみたいです。
末っ子も、「えぇー、オクラはまっすぐがいいよー。」と言いつつも、
ちょっと楽しそうに見ていました。
一方の私は、昨年パパの実家で実と間違えて蕾(つぼみ)を収穫するという大失態を…
「ママ、流石に私でも分かるわー。」と、末っ子に散々ツッコまれました。
この時は捨ててしまったのですが、最近になって蕾も食べられることを知りました。
あぁーーー!もっと早く知りたかった!!
畑仕事をしていると、野菜の完成形よりも、
葉や茎、花や蕾など、その途中を観ている時間の方が圧倒的に長いです。
収穫する野菜の少ない時期でも、花や蕾も美味しく食べられると分かると、
子供たちも俄然やる気になります。
(もちろん採り過ぎは注意ですが…)
この記事では、
✔ 飾って楽しい!食べて美味しい!畑で採れた可憐で美味しい花たち
についてまとめました。
飾って楽しい!食べて美味しい!畑で採れた可憐で美味しい花たち
カボチャ
野菜の中でも、とりわけカボチャが大好きなわが家の子供たち。
畑では今シーズン、4種類のカボチャが実りました。
会津の伝統野菜の「会津早生菊南瓜」と、
スープ用に植えた「打木赤皮甘栗南瓜」という西洋南瓜、
いつもの八百屋さんが畑に植えるといいよ!と譲ってくれた「鶴首かぼちゃ」、
それと、前に借りていた人の種が残っていたのか、
畑の真ん中に出てきた、えびす南瓜みたいな緑色のカボチャです。
カボチャは物凄い勢いで横に横にと成長するので、茎の重さで全滅してしまった野菜もありましたが、
植える場所さえ間違えなければ、「無農薬+無肥料」で雑草とも共存できる、
自然農には打って付けの野菜です。
カボチャは、7月頃から黄色の花をつけはじめます。
初の栽培だったこともあり、摘果(=大きく育てるために、途中小さい実を採ること)はせず、
通路にはみ出そうになった茎を、グイっと軌道修正した以外は、
自然に任せて育てました。
結果的にどのかぼちゃも大きく生長したので、摘果はしなくて正解でした。
よって、来シーズンも摘果なし決定です!
9月下旬になっても、まだまだ蕾が増え続けています。
特に晩生品種なのか、種を蒔くタイミングが遅かったのか、
鶴首かぼちゃの勢いが止まりません。
もうそろそろ畑も休ませなくちゃいけないから、株ごと抜かないと…と思っていたのですが、
10月いっぱい様子をみることにしました。
そんな時、畑を見にきていた友人が「南瓜の花、前レストランで出してもらったよ。」と言うではありませんか!
これは是非とも食べてみたい!!
ウキウキで持って帰ることに。
彼女に聞くと、花の中にモッツァレラチーズを入れて、
フリットにするのがいいとのこと。
早速、モッツァレラチーズを詰めて、
フリット…ではなく、
(小麦粉がなかったので)
多めのオリーブオイルで焼きました。
見た目はちょっとしなっとした感じになりましたが…
塩をパラっとかけて食べると…
めちゃくちゃ美味しい!!
(これはワインが進んでしょうがない…)
ただ焼く場合は、花が咲く直前の蕾の方が、
食感もよく、美味しく感じました。
沢山採れた日は、中に詰めるのが大変なので、
チーズ(グラナパダーノ)を上からかけて、白ワインで蒸しながらオイル焼きに。
これまた止まらない美味しさです!
カマンベールチーズを中に詰めるのもいいですが、ちょっとチーズの味が強すぎるかな、と。
食欲旺盛+ハードチーズ派のわが家においては、
「上からかける」が正解でした。
フリットはまた違うかもしれませんので、そこは臨機応変に。
ちなみにカボチャには雄花(おばな)と雌花(めばな)がありますが、採ってきたのは全て「雄花」でした。
雌花って少ないんですよね。
それに週末だけしか畑に行かないので、既に実になっていることがほとんどでした。
あまり気にせず採っていたので、雄花も「これから咲く蕾」と「咲き終わった花」の両方が混ざっていたようですが、
どちらも美味しく食べられました。
ちなみに、サッと火を通したくらいでは、
茎は硬くてたべられませんでした。
ニラ
9月初旬、可憐な白い花を咲かせるのが「ニラ」です。
いつも食べているのは、柔らかいニラの葉ですが、
時期が過ぎると董立ちして花をつけ始めます。
董立ちした茎は硬く、柔らかい葉と同じようには食べられませんが、
わが家では細かく刻んで油で炒め、麻婆豆腐の具にします。
ニンニクの芽みたいな感じで、硬めの食感が美味しいんです!
それにニラの花って、甘いんです。
小学校からの帰り道、道端の花の蜜を吸っていた記憶が蘇ります。
(おそらくヒメオドリコソウ)
サラダに添えてシャキシャキ感を楽しむのもいいですが、
さっと火を通すと、食べやすくなります。
食べるまでは飾ろうかなぁと、コップに入れておくと…
いつの間にか花だけ食べられていたりします。
(食いしん坊が多いようで…)
山ウド
山ウドも、9月中旬頃から花をつけ始めます。
(この日は畑に着いたら土砂降りでした…)
オブジェみたいで、ちょっと面白い形ですよね。
ウドの花は、天ぷらにしても美味しいようです。
すぐに食べたい時は、玉子焼きに入れるのが一番!(持論)
色はちょっとくすんでしまいますが…
一口食べると、ふわっとウドのいい香りがします。
茎の部分は筋っぽいので、花の部分だけでもいいかもしれません。
立体的な形を楽しむには、天ぷらやフリットのような衣をつけて揚げるのが◎
茎が多少硬くても、高温で揚げると気にならなくなりますしね。
次回チャレンジしてみます!
揚げものはちょっと…という方には、玉子焼きおすすめですよー。
ルッコラ
4月にばら撒きしたルッコラは、1ヶ月ちょっとで10センチほどの大きさに生長しました。
発芽率ほぼ100%?というくらい、ワッサワサと芽が出ます。
始めは出てきた新芽をカットして食べていましたが、あまりの生育のよさに、
途中からどんどん根っこごと間引きしました。
ルッコラの素晴らしいところは、花をつけてもニラのように硬くならないところ。
それに加えて、アブラナ科らしく、
ピリッとした辛味もあり、サラダのいいアクセントになります。
また、大きくなり過ぎてしまったルッコラは、
ベーコンなどと一緒にサッと炒めて食べると美味しいですよ!
まとめ
畑仕事を始めて半年、今まで知らなかった「花を食べる」という経験に、
子供だけでなく、大人も夢中になりました。
農業って、収穫だけが楽しい時間だと思っていましたが、
そんなことはありません!
観察して、調べて、
「えぇ、食べられるの?」って知った瞬間、
物凄くテンション上がります。
畑で食べられる花というと、
かぼちゃのように、実になる前の花を食べる場合と、
ニラや山ウドのように、葉や芽を食べた後に咲いた花を食べる場合の、
2パターンがあります。
もう1つあるとすると…
食べる専用の花を育てること!
家でも育てたい!エディブルフラワーの栽培にチャレンジ
食べられる花というと、やっぱり「食用菊」ですよね。
山形の特産品でもある食用菊、
菊単品だと食べにくいので、サッと湯がいて、
ほうれん草などの葉物野菜と一緒におひたしにして食べることが多いです。
さらに酢漬けにすると日持ちもするので、秋の常備菜にはピッタリなんですよ!
食用菊は昔からありますが、最近では「エディブルフラワー」と呼ばれる食べられる花たちが、
ちょっとオシャレなスーパーに並んでいるのを見かけます。
(少量で牛丼くらいの価格で…!)
花を食べることにハマった子供たち。
「ねぇ、ベランダの花って食べられるの?」って、食い気全開の末っ子。
いやいや、それは無理です。
「じゃあ、食べられる花育てようよ。」っと、長女がナイスな提案を。
その手があったか!
早速秋植えの種を選んで、購入しました。
午前中しか日の当たらないわが家ですが、上手く育ってくれるかな?
わが家の畑の野菜たち、種の購入先
すんき漬けやかぐら南蛮味噌など郷土料理を作ることが多いわが家。
ホームセンターではなかなか取り扱っていない地方の伝統野菜や、自家採取可能な固定種の種を探して買い求めました。
日本全国の伝統野菜や固定種の種を取り扱っています。
「会津早生菊南瓜」はわが家の1番人気です。
✔ たねの森
農薬・化学肥料を使わずに栽培された、自家採取可能な野菜・ハーブ・花の種を取り扱っています。
種を取り扱っているお店や、苗を販売している農家さんの紹介ページもあります。
農薬なし・化学肥料なし・遺伝子組換えなしの種を取り扱っています。
業務用サイズもあるので、たくさん植えたい方におすすめです。
種を採るのも大事な仕事!
来年に向けて着々と準備を進めています。
ちなみに今回の種は、グリーンフィールドプロジェクトのものです。
今植えるなら、9~10月頃の「秋植え」の種がおすすめですよ!
サポート付きのプランもある「シェア畑」は、ほとんどが都心から1時間圏内のところにあります。
農具も揃っているので、持っていくものは長靴と軍手くらい。
シェア畑は肥料は化学肥料ではなく有機質肥料のみを使い、殺虫剤などの化学農薬は一切使いません。
安心して食べられる無農薬野菜を手に入れたいと思ったら、「食べチョク」で生産者の方から直接送ってもらうのがいいと思います。
私も育てていない野菜や果物は、よく食べチョクで購入します。
こだわりの野菜は買うことができます。
ただ「こだわりの野菜を作る体験」は買うことができません。
理科の教科書では学べない本物の学習や、採れたての野菜を食べる喜び(=食育)は、
今の畑がわが家に与えてくれたものです。
最近では「休日どこ行く?」の夫婦の密談は激減し、「畑いつ(何時に)行くの?」と子供たちから聞かれることが増えました。
野菜を育ててみたいなと思った方は、まずは説明会に参加してみるのはいかがでしょうか?
子供と畑仕事、発見の連続で楽しいですよ!
この記事が少しでもお役に立てたら嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。