こんにちは。
都内で発酵ワークショップnanairo!を主宰しています、マキ太です。
はじめての方は、こちらもどうぞ。
自家製の発酵食品を使った料理は、Twitterでほぼ毎日更新中。
しとしとと雨が降り続く、6月下旬。
梅雨明けが待ち遠しいですね。
バタバタと梅仕事も終わって、ちょっと一息…
するのも束の間、
久し振りに発酵食品を保管している納戸(通称:味噌部屋)を見て回ると、
見つけてしまいました‼
何やら白いものが現れたビンを。
2か月前に仕込んだ、自家製豆板醤の1つです。
(今年はそら豆で3瓶、グリンピースで2瓶仕込みました。)
「えっ、カビが生えた⁉」「もう食べられない?」
ドキっとしますよね…
「もう捨てなくちゃ…」と思われるかもしれませんが、
ちょっと待ってください‼
正しく処置することで、通常の発酵状態に戻すことが可能です。
今日は、自家製豆板醤にトラブルが発生した時に、
わが家で実際に行っている対処法についてご紹介します。
自家製豆板醤にトラブル発生⁉表面が白くなってきた時の対処法
白いフワフワとしたもの
先ほどの白い物体、4月中旬にそら豆で作った豆板醤に現れました。
フワフワとした、綿毛のようなもの。
「白カビ」です。
白カビは、広範囲にできるというより、
容器の壁面など、ごく一部に発生することが多いです。
横から見ると、細かな繊維のようなものまで見えます。
この白カビを見つけたら、
②焼酎を含ませたキッチンペーパーで、豆板醤の表面を拭く。(スプレーも可)
③酒粕で表面を覆い、蓋をする。
④冷暗所で保管する。
このように対処しています。
「表面の水分量が多い時」に発生することが多いような…
(今回も、表面が水っぽくなっていました。)
取りのぞいたものを触ってみると、ベチョっとして、
かなり水分が多いのが分かります。
味噌たまりという、手作り味噌の時にも重石をすると表面に出てくる液体ですが、
それが徐々に味噌の中に戻って、旨味を出してくれます。
味噌たまりは、旨味の宝庫ともいわれています。
味噌と同じように作っているわが家の豆板醤も、それを狙ってはいるのですが、
✔ そもそも水分が多かったのか
✔ 梅雨の時期で異常に湿度が高いのか
いずれにしても、多すぎる表面の水分が、
白カビの原因の1つかもしれません。
さらに表面の様子を観察して、明らかに色がおかしい(くすんでいる)時は、
その変色している部分も、スプーンを使って取りのぞいています。
↑左側のたまっているところを、念のため…
発酵の状態のよさそうなところまですくい取ると、香りも変わってきます。
仕込んで2か月ほどですが、もうすっかり豆板醤らしい香りになっています。
薄く伸ばした酒粕をのせ、蓋にします。
ビンの縁のところが特にカビやすいので、隙間がないようにします。
パックをするように、表面もきれいに伸ばします。
容器の内側を、焼酎を含ませたキッチンペーパーで拭き取ります。
容器に蓋をして、冷暗所で保管します。
このまま様子をみます。
白カビ…ではなさそう
もう1瓶、こちらは生のグリンピースを使った豆板醤。
白カビと同じように、表面に白いものが‼
でも、白カビとは違うような…
表面がボコボコ盛り上がっている、
これは、「産膜酵母」と呼ばれるものです。
手づくり味噌にも、よくあります。
白カビのように一か所にとどまらず、気づいたら表面を覆うようにできている…
なんて事も。
味噌の場合は、産膜酵母は、
✔ 風味が損なわれる恐れがあるので、取りのぞく
✔ 無害なので、そのまま混ぜ込む
プロのお味噌屋さんでも、意見は分かれます。
産膜酵母を見つけたタイミングにもよりますが、わが家では基本的に取りのぞいています。
その理由としては、
✔ どのくらい(量)だと混ぜ込んでいいのか分からない
✔ 産膜酵母の上に、青カビっぽいものが発生していることがある
顕微鏡で確認できる訳ではないですし、カビの専門家でもないので、
「取りのぞくのが安心」という結論に達しました。
産膜酵母は、少しツンとする鼻をつく香りがしますので、
取りのぞくと、その独特な匂いも自然となくなります。
取りのぞいた後は、白カビの時と同じように、
酒粕で蓋をします。
産膜酵母は、好気性の菌で、
空気にふれている表面にできるのが特徴です。
空気を好む菌なので、酒粕で蓋をすることで、
豆板醤が直接空気に触れない状態にします。
酒粕がなければ、ラップをピチっとかけ、
中の空気もできるだけ抜くようにします。
例外的に、もし豆板醤作りが2年目で、
前の年に作った豆板醤が残っている場合は、
その「残りの豆板醤で蓋をする」という方法もあります。
わが家では、よく味噌作りの時にやっている裏技です。
(容器もスペースも限られた、マンション暮らしなので…)
まとめると、
「酒粕で蓋をする」
「ラップをピチっとかける」
「発酵している豆板醤で蓋をする」
この3つの方法があります。
その後は、
✔ 発酵が途中であれば、常温保存する
✔ 熟成していて味が完成していれば、冷蔵保存する
冷蔵庫に入れると、発酵のスピードはゆるやかになります。
季節によって調整するのも、いいかもしれません。
ちなみに、2018年に仕込んだ3年モノの豆板醤は、
ずっと常温保存していましたが、2年ほど経ったときに産膜酵母ができました。
(茶色っぽい、ボコボコしたものが表面にできました。)
その時点で、すでに味が好みのものになっていたので、
「産膜酵母を取りのぞき、冷蔵庫で保存」に切り替えました。
今わが家で食べているものがこの3年ものですが、その後は産膜酵母ができることもなく、
1年以上熟成するのを楽しみながら、食べています。
「カビなどの原因は、保管している環境のせいじゃない?」という意見もあります。
そうかもしれません。
ただ、必ずしもそうとは言い切れないのが、
同じ味噌部屋(しかもお隣同士)で保管している、
2017年に仕込んだ、わが家で最も熟成の進んだ4年モノの豆板醤は、
ずっと常温で保存していますが、トラブルも一切ありませんでした。
開けると、ふわ~っとドライフルーツのような香りがします。
今も熟成中です。
※自家製の発酵食品の熟成期間は、お好みで調整してくださいね。
まとめ
せっかく豆板醤を作っても、
失敗だと思ってしまうと、また来年も作ろうと思えなくなってしまいますよね。
カビや産膜酵母も、取りのぞいてしまえば、
その下の豆板醤は問題なく使える場合がほとんどです。
(豆板醤内部に発生したものについては、経験がないので分かりませんが…)
味噌もそうですが、手作りの豆板醤は、
一度味わったら、手放すことができない万能調味料です。
発酵の過程も楽しむことができるのが、自分で作る醍醐味です‼
そろそろ梅雨明け、
「しば漬け」の季節がやってきます。
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まだまだ動画は少ないですが、
自家製の発酵食品の作り方や、それを使ったレシピを公開していく予定です。