1月、お陰様で畑では大根が豊作。
三浦大根、紅芯大根、聖護院大根、ビタミン大根、大蔵大根などなど、
在来種の種を買って植え~買っては植え~とし続けたもんだから、
畑の至る所から大根の葉がワサワサ出ている。
農業を始めたばかりの頃は、イネ科の背が高めの雑草の勢いが凄くて、
大根の畝がどこか分からなくなるくらいだったから、本当に奇跡のような光景。
皮を剥いて輪切りにして、昆布と一緒にじっくり煮るだけ。
丁寧に面取りなんてできないけど、味は格別。
でもね、毎日となると多少物足りなさも感じてくるし、
ポン酢が恐ろしいスピードで減っていくのも気になる。
何か他にいい食べ方はないものか。
そこで夫が探してきたのが『浦里』なる江戸料理。
うらさとと読むらしいが、食べたことはもちろん聞いたことすらない。
百聞は一見に如かず、「とりあえず作ってよ。」と夫に依頼。
その言葉を待っていたらしく、ちょっと楽しそうに台所に籠る。
数分後、皿にちょこっと上品に盛られた浦里を持って登場。
見た目はいたって地味。
いつもの「うわぁ~!」がない、いまいちテンションが上がらない子供たち。
その気持ちは分かる。
一口食べてみると、「あぁ~、うんなかなか美味しいね。」と、
全力で美味しいとは言わないものの、なぜか箸が止まらない。
そしてあっという間に完食。
で、「もっとないの?」だって。
私も食べてみると、さっぱりとした味わいで確かにどんどん食べられちゃう。
「これ、納豆に合うんじゃない?」って、長女が冷蔵庫から納豆出してきたもんだから、
そのスピードはさらに加速。
浦里、納豆共にあっという間に皿の上から姿を消した。
「これって、大根おろしでしょ?」と私が言うと、
「ちゃうわい!鬼おろしだわ。」と夫。
一体何が違うんだろうか…
おろし金で毎回どこかしら負傷する私、自分で作るかはさておき、
一応作り方を聞いてみた。
①大根を鬼おろしでおろす。
②おろした大根をしぼって、軽く汁気を出す。
③つぶした梅干しと青じそと鰹だし(厚削りの鰹節を粉にしたもの)を混ぜ合わせる。
④最後に白ごまと焼き海苔をかける。
まさしく日本人の味覚に合致するゴールデンコンビ。
シンプルながら奥が深い。
「これ毎日食べても飽きないね。」って、次女も言うもんだから、
娘想いの夫、しばらく夕食で浦里出してくれた。
さすがに1週間続くと子供たちの箸が進まなくなるが…
そして食べ続けて気が付いた。
大根ってたまにものすごく辛くて、ちょこっと薬味として使うにはいいけど、
沢山食べるのにはしんどいのがある。
よく葉に近い上の部分は甘いからなんて言いうけど、下の部分との比較であって、
辛いものは辛い。
同じ品種でも同じ畑でも隣り合っていても味わいが違う。
農業に従事するようになって4年、まだまだひよっこの私たちは、
どうやら大根を理解しきれていないようだ。
とにもかくにも、辛いと子供たちが食べない。
それは困ったと考え始めた夫、そして名案を思い付いた。
大根じゃなくて、『カブ』を使う
って、野菜代えちゃダメでしょ!笑
でもね、カブで作った浦里、
これがものすごく甘くて美味しい。

しかも少し赤味がかった羽広菜(はびろなと読む、長野伊那の伝統野菜)を使ったから、
色がさらにきれい。
大根だと渋い顏をした絶賛離乳食中の末っ子も、カブはチビチビ食べる。
味付けは鰹だしだけだが、美味しいらしい。
夫よ、ナイス!
さらにひと工夫。
浦里をつくり置きした時は、大根の汁気をしっかり切っておくのがおすすめ。
時間が経つと、塩の効果で水っぽくなってしまう。
海苔とゴマは食べる直前に入れるようにすれば、食感も損なわれないので、
わが家でも次の日の分くらいは、夜のうちに作って冷蔵庫に保存している。
鬼おろし器、フードプロセッサーでバビーンのこのご時世、
なかなか持っている家庭は少ないかと。
私にとっては普通の大根おろし器以上に苦手(危険)な道具で、できればあまり使いたくない。
その気持ちを察してか、夫が新しい鬼おろし器を買ってくれた。

もちろん手動。
それでも、木のものより断然使いやすい。
形が多少不格好なカブも、これなら怪我なくいけそうだ。
日本製ステンレスの鬼おろし器
これはしばらく浦里が続きそうだ。
〇 時短で浦里を作りたい方へ
梅と鰹の旨味がギュっと詰まった自家製調味料『梅醤』
調味料の域を超え、そのままお湯に溶いて飲んでも美味しい。
おろした大根にひと匙入れるだけで味が調う。
梅干しを潰して入れるより、口当たりもよくなるのでおすすめ。
〇 納豆好きにおすすめのレシピ3選
浦里がちょと大人向けなら、こっちは間違いなく子供目線。
納豆嫌いな子にこそ食べて欲しい、給食に出たらきっとおかわりしたくなる五食納豆。
寒い日に食べたくなる納豆汁
山形の郷土料理では度々登場する、里芋の茎を乾燥させた芋がら(ずいき)から手作りした本格派。
具だくさんが嬉しい冬の味覚。
山形南部の置賜地方で江戸時代から作られている伝統的な発酵食品。
納豆を麹を加えてさらに発酵させる、ダブル発酵製法。
身体に悪いはずがない?冬が旬の五斗納豆



