秋風が心地よくなってきた10月初旬、キンモクセイの優しい香りに、
いつもと同じ公園が、ワクワクの散歩道に変わる。
夏の間付けっぱなしだったクーラーも、ようやく切ることができる。
あぁ~、家の中を風が吹き抜ける。
ゆっくりお昼寝したい0歳児の末っ子も、お散歩中の保育園児の元気な声に起こされることもあるけど、
添い寝で二度寝してしまうくらいいい気持ち。
よし!母も幸せ。
日中はまだまだ半袖が活躍する反面、
朝晩はめっきり涼しくなってきて、薄手の長袖を羽織るとちょうどいいくらいの気温に。
身体も冷えているのか、温かい飲み物が欲しくなる。
緑茶、ほうじ茶、玄米茶、麦茶、紅茶、ルイボスティー、マテ茶、クロモジ茶、スギナ茶、ヨモギ茶、ビーツ茶、小豆茶、ゴボウ茶等々、
健康志向の夫が次々買い足してくれるお陰で、わが家お茶には苦労しない。
ただお茶ばかり飲んでいると、逆に調子が悪くなってしまう。
なぜ?
水分だけを過剰に摂取してしまい、体内のバランスが崩れてしまっているのかと、
素人ながら推察してみる。
熱中症対策にも、水分と塩分の両方を補給するのがいいって聞いた気もするし、
何か対策を講じてみようかと。
そうして辿り着いたのが『梅醤』。
“うめびしお”と読む、ジャムよりもさらにドロッとした梅のエキス。
和食の本では、梅干しをたっぷりの砂糖と一緒に煮て練り上げる、
いわゆる練り梅を梅醤と呼ぶこともあるようだが、
わが家で作っているのは、醤=醤油と混ぜ合わせる、
そのまま食べると強烈にしょっぱい梅醤。
塩分を補給するのにはちょうどいい。
作り方はいたって簡単。
梅干しの種を取り除いて漉して、醤油と混ぜ合わせるだけ。
お好みで生姜の搾り汁を入れてもいい。
それを番茶で割って飲むと、ほっこりと美味しい梅醤番茶になるってわけ。
「なーんだ、梅干しと醤油と生姜の搾り汁を混ぜればいいだけね。」と、
梅干しを丸ごとカップに入れてスプーンで潰して、醤油トボトボ、
生姜の搾り汁ポタポタで即席梅醤を作ってみたけど、
残念過ぎるくらいに味が馴染まない。
丁寧に漉す、これに尽きる。
最近は子供たちの「今日ね、学校でね、」の話に付き合いながら、漉し網と木べらでせっせとペースト状にする。
余った種はイワシの梅煮を作る時に使えるから、あまり神経質にならずにざっくり漉す。
なので、一度にできる量はそれほど多くない。
梅干し自体の塩分量も違うから、醤油を何cc入れるとは決めずに、
漉した梅干し10に対して、醤油1~2くらいの割合で合わせる。
生姜なんかは、ほんの数滴でもちゃんと主張してくれる。
これだけでも十分美味しいけど、さらにひと工夫。
濃口醤油に厚削りの鰹節を入れて1ヶ月程寝かせただし醤油を使ったり、
根昆布を一枚入れたり、出汁の要素をプラスすると、
旨味が格段に増して文句ナシに美味しくなる。
実は梅醤、飲むだけじゃなくて料理にも結構使える。
例えば、
✔ 白身魚の刺身の茶漬けにちょっと添えると、上品な梅茶漬けに
✔ キュウリなど切った野菜に和えると、さっぱりとした箸休めのお漬物に
✔ オイルを加えると、万能和風ドレッシングに
✔ ささがきにしたゴボウと一緒に米を炊くと、風味抜群の梅ゴボウ飯に、等々
その応用力たるや、わが家の加工調味料の中でも群を抜いている。
ここまで説明しておきながら何だが、一級品の梅干しを梅醤に加工する必要はない。
むしろそのまま食べて欲しい。
どんな梅干しを利用するかって、天日で干している間に破れてしまったものや、
そもそも仕込む時点で梅自体にキズがあったもの、
土用干しするタイミングを逃してしまって梅酢に漬けられたままのもの等、
食べるには問題ないけど、ちょっと難アリの梅干しでOK!
むしろ漉す作業が楽になるし、一石二鳥。
ちなみにわが家では、ダメージ部分を取り除いた完熟梅を塩分濃度高めに漬けて、
干さずにそのまま梅酢に漬かったままの、梅干しには程遠い梅の塩漬けを使っている。
「えっ!?キズ梅で梅干しってできるの?」って気になった方、
わが家の失敗なしのエコな梅干し作りは、来シーズン(2026年)に追記予定なので乞うご期待。
作るのは来シーズンのお楽しみとして、まずは市販の梅醤を試してみて、
好みの味を探してみるのはどうだろう。
飲み物として楽しむなら生姜と番茶が一緒に入っているもの、
料理にも使いたいなら生姜だけが入っているもの、
用途に合わせて使い分けるのもおすすめ。
→有機梅醤はこちら
他にも、梅好きな人におすすめな自家製調味料をご紹介。
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