おうちご飯が続くと、無性にジャンキーなものが食べたくなったり、外食ならではのパンチの効いた味が恋しくなったりしませんか?
『身体は食べたものでできている』って、分かってはいるんです。
でもね、自分では作れない味に出会った時の、あの世界が広がったようなワクワクした感じもたまらなく好きなんです。
それを自分で再現しようとすると、これがなかなかハードルが高くって…
なぜって、まず調味料から違うでしょ?
世界中ありとあらゆる調味料で溢れていても、現地に行かないと買えないものも沢山あるし、輸入食材を取り扱うお店で運よく見付けたとしても、味が分からないものって使い切れる自信がなくって。笑
でもちょっと待って、そもそもその特別な調味料って必要なの?
原材料を見てみると、わが家にあるマニアックな自家製調味料達で意外といけるような気がする!
そうなると、料理開発担当の主人(ガチの理系)が張り切っちゃうわけです。
今回チャレンジするのは、伝統的なタイ料理の『グリーンカレー』。
タイ語では『ゲーン・キャオワーン』、ゲーン(=スープ)、キアオ(=緑)、ワーン(=甘い)って意味らしい。
って、どこにも“カレー”の要素がない!?笑
「グリーンカレーって、ココナッツが入っている、緑色のスープのカレー」くらいの理解だった私。
タイ料理屋さんでもトムヤムクンはよく食べたけど、グリーンカレーはあまり注文した記憶がないんですよね。
だから味も正直忘れちゃってて…笑
今回グリーンカレーって聞いた時は、「いやいや、グリーンカレーは無理じゃない?そもそもうちの子供たち食べたことないし。」って、一応抵抗はしたんですよ。
でもね、やると決めたら簡単には引き下がらないのも分かってますよ。
「あっ、これはしばらくグリーンカレーが続くな。」と、夕食の献立作りから解放される喜びを感じつつも、週3、4日同じ料理を食べる覚悟をして、家庭内平和の為にサポートに徹することにしました。
実は結構ヘルシー⁉残暑厳しい9月に作るグリーンカレー
1.グリーンカレーペーストを作る
何と言ってもグリーンカレーの要は、あのきれいな緑色のペースト。
青唐辛子、パクチー、バジルといった、緑の野菜がどっさり入っているんです。
あら、意外と健康的?
何かしら着色料っぽいものが入っていると疑っていたので←失礼なヤツ
まだまだ厳しい暑さが残る8~9月頃って、畑では青唐辛子やバジルの収穫最盛期なんです。
パクチーは、シーズンが一旦終わっていて、花から実になっている時期。
葉を使うのは難しいけど、この実が使えるんです。
パクチーの実=コリアンダー、グリーンカレーにもこのコリアンダーが欠かせません。
スパイスやハーブの他に、『カピ』っていう、エビを塩漬けにしたタイの旨味調味料も加えるらしいのですが、このカピが、なかなか売っているところがなくって…
日本ではイカの塩辛で代用する場合が多いって聞いてやってみたけど、う~ん、何かちょっとイメージと違うかな。
「エビでしょ?それなら代わりに『オキアミの甘塩辛』がいいんじゃない?」
そこで辿り着いた答えが、1年程前から作り始めた、わが家では比較的新顔の調味料。
野菜炒めとかチャーハンとか、「もうオキアミ入ってないと物足りない!」ってくらいに、ひと味足りない時に大活躍する、塩味と甘味と旨味が絶妙に合わさった万能選手なのです。
あぁでもない、こうでもないと、試行錯誤の結果、遂にわが家のグリーンカレーペーストが完成しました。
\グリーンカレーペーストの材料/
・フレッシュバジル(ホーリーバジル、なければスイートバジル) 20枚
・パクチー 3株
・玉ねぎ 1/2個(100g程)
・ニンニク 1/2(4片程)
・生姜 2片(皮付きで100g程)
・レモングラス(あれば)
・オキアミの甘塩辛 大さじ3
・みりん粕(なければ本みりん) 大さじ1
・クミンパウダー 小さじ1
・コリアンダーパウダー 小さじ2
緑の野菜盛り沢山!グリーンカレーペーストの材料
作り方もいたって簡単で、野菜を適当な大きさに切って、ミキサーでペースト状にするだけなんです。
細かくなりにくいクミンとコリアンダーだけは、はじめに粉末にしておけば、成功すること間違いなし!
あとはポイントを挙げると、
例えば、今回使った青唐辛子は、比較的辛さがマイルドな『日光唐辛子』。
唐辛子は種類も豊富で辛さレベルも違うので、辛味が強い唐辛子の場合は、本数を減らしたり種を取り除いて使う。
わが家の小4の次女、20本入れたら「辛い!」といい、10本に減らしたら「もっと辛いのがいい!」って一人前に主張するので、今のわが家では”日光唐辛子は、種ごと15本”に落ち着いている。
青唐辛子のシーズンは意外と短いので、沢山採れた時は丸ごと冷凍しておくと、いつでも使えて便利。
バジルは乾燥ではなく、生のフレッシュなものが◎
ホーリーバジルがベストだけど、一般的なスイートバジルでも十分香りが楽しめる。
パクチーは葉だけでなく根も使えるので、捨てずに一緒にペーストに入れちゃう。
レモングラスは生のものがあれば少量入れて爽やかさをプラス、なければ入れなくても大丈夫。
ちなみにレモングラスは、インド原産のイネ科の植物で、スープ、サラダ、炒め物等々、アジア料理では結構メジャーな食材らしい。
冬には地上部は枯れてしまうけど、まず間違いなく毎年生えてくる丈夫なハープなので、一株あると結構楽しめる。
肝心のオキアミの甘塩辛は、仕込んでから1ヶ月位で食べ始められる比較的寝かし期間の短い発酵調味料なんだけど、そんなに待てないって時は、塩辛と少量の砂糖(はちみつ)で代用が可能。
国産のえびの塩辛を探すと、見た目からも高級感が伝わってくる”白いプリっとしたエビを塩漬けにしました”っていう上品な塩辛が出てくるけど、今回使うのはそういう塩辛じゃなくて、ワタががっつり入っている、相当な調味料マニアか酒飲み以外は見向きもしないようなタイプがおすすめ。
エビがない時は、無理せずイカを。
あとはみりん粕、これが家にあるって人はほとんど聞いたことがない。
本みりんを搾った時にでる副産物で、幻の食材ともいわれるみりん粕。
原材料がもち米だから、結構甘味が強い。
なので、酒粕(日本酒を搾ったもの)でもいけるんじゃない?とはならないので、ご注意を。
みりん粕がなかったら、迷わず本みりんを。
こんな感じで材料を揃えていくだけ。
あとはチャチャっと切って、ブィーンって回すだけ。
旬の食材を沢山使うので、まとめて作って冷凍保存するのもおすすめです。
2.グリーンカレーの作り方
さて、グリーンカレーペーストが出来たら、具材と合わせていきます。
今回は畑で採れた夏野菜が中心です。
\わが家の食欲旺盛な5人分のグリーンカレーの材料 /
・ナス 4本
・ししとう 15本
・ピーマンorパプリカ 5個(パプリカは1~2個)
・ズッキーニ 1/2本
・ゴーヤ 1本
・ココナッツパウダー 60g
・魚醤 適量
・オリーブオイル 大さじ4杯
・水 200㎖
・柑橘類の皮(あれば) 少量
・塩 適量
①肉を炒める
オリーブオイル(分量外)を少量熱し、鶏肉の皮目を下にして、中火で脂を出しながら火を通す。
両面に焼き色が付いたら一旦取り出して、一口大にカットする。
野菜と一緒に炒めると、野菜の水分で水っぽくなるので、面倒でも別に炒めるのが◎。
②野菜を炒める
同じ鍋にナスとズッキーニを入れ、鶏肉から出た脂を絡めるようにして炒める。
サッと絡めたら塩をパラっと振って、中火で5分程蒸し焼きにする。
途中鍋をゆすって、火が均一に通るようにする。
塩をすることで野菜から水分が出やすくなり、上手に蒸し焼きにできる。
その後少し火を強め、ピーマンとししとうとゴーヤを入れる。
ししとうは切らずにそのままの大きさでOK、ゴーヤは主張強めなので、あまり豪快ではなく薄めにスライスする。
他の野菜をアレンジする時も、水分が多い野菜を先に蒸し焼きにして、水分が少ない野菜を後入れにすると、食感よく仕上がる。
③肉と野菜を合わせる
全ての野菜を入れたら、取り出しておいた鶏肉を鍋に戻す。
④スープ状に仕上げる
全ての具材を入れたら、水を注いで強火で煮立てる。
そこにココナッツミルクパウダーを混ぜ込んだグリーンカレーペーストを半量入れる。
火を弱火にして、魚醤を少量加えて5分程火を入れる。
この時点では、味が完成していなくても大丈夫。
その後残りのグリーンカレーペーストを加えて、魚醤と塩で味のバランスを整える。
ここから先は、香りが飛ばないように煮立たせない。
最後に、柑橘類の皮があったら削って加える。
少量でも香りがグッと引き立つので、今回は青柚子を少々加えてみた。
そして、出来上がったグリーンカレーがこちら!
食材を集める時のポイントもまとめると、
まずは野菜について。
今回は畑で採れた夏野菜を中心に使ったけど、季節に合わせてアレンジするのも◎
ただ、かぼちゃやジャガイモやサツマイモのように、煮崩れするものや甘味の強いものは、スープの味自体を変えてしまうので、わが家ではあまり入れない。
逆にゴーヤのように、苦味の強い野菜でも、インパクトの強いスープと混ざり合うと、意外と気にならない。
サラダパプリカのように生でも食べられる野菜は、出来上がる直前に入れ、食感を楽しむのもアリ。
次に鶏肉、モモかムネか迷うところだが、脂の旨味は是非とも活かしたい。
なので、ヘルシー志向の方も、全部を鶏ムネに代えるのではなく、半分モモ、半分ムネくらいがおすすめ。
脂身もあり、骨からの旨味がしっかり出るのを考えると、手羽先なんかも◎
そしてグリーンカレーには、ココナッツミルクが欠かせない。
BPAフリーの缶に入った、砂糖不使用、無漂白、保存料不使用のこだわりのオーガニックココナッツミルクもあるけど、わが家ではほとんど使わない。
マンション暮らしでは収納場所の確保が難しいのと、缶のゴミが増えてしまうのがどうしても好きではない。
なので、パウダータイプを愛用している。
牛乳の代用品となるビーガン食品としての需要がメジャーシェアのようだが、わが家ではグリーンカレー専用食品。
10回以上グリーンカレーを作っても、まだ半分くらいしか減っていない。笑
肝心要な調味料は、自家製の魚醤。
タイ料理=ナンプラーを使うところ、あえての魚醤。
魚醤を仕込んでいるからっていうのもあるけど、味わいが全然違う。
ナンプラーだったら、「この量入れたらアウトでしょ。」って時も、魚醤だと全然平気だったりする。
私自身がナンプラーの独特な脂のにおいが苦手なので、同じように感じている人は、是非魚醤を!
ちなみに、魚醤は、仕込む魚によって味わいが違う。
そこが面白い。
買うなら、まずは王道のカタクチイワシの魚醤がおすすめ。
あとは仕上がった時のテクスチャーについて。
「とろみが付いていなければ、カレーじゃない!」って、ルーカレーっぽい仕上がりを望むのであれば、もうすぐ完成ってところで、少し小麦粉を溶かして入れる。
みりん粕だともち米のトロっとした感じが出るので、それだけで十分。
本みりんの時だけ、少し足すのもアリ。
まとめ
外食でしか味わえないと思っていたグリーンカレー。
実際作ってみると、工程もシンプルで、想像していた以上に短時間で仕上がりました。
煮込み時間を含めても1時間弱、あらかじめグリーンカレーペーストを作っておくと、30分程で出来上がります。
一番驚いたのが、油の使用量の少なさ!
知らなきゃよかった…くらいスパイスカレーでは油を使うのに対して、グリーンカレーは肉と野菜を炒める時に少し使うだけ。
ちょっと食べ過ぎた!って思っても、胸やけすることはありません。
しかも旬の野菜がどっさり入っているので、一皿の満足度が高いんですよね。
辛いのが苦手な場合は、青唐辛子と生姜の量を減らして、マイルドな味に仕上げることもできますし、バターや生クリームなどの乳製品も使っていないので、乳製品アレルギーの方や乳糖不耐症の方にもおすすめ。
それにとろみ付けの小麦粉を加えなければ、なんとグルテンフリー!
レトルトのグリーンを食べ比べるのもいいけど、自分の好みの味を探していくのも、きっと楽しいですよ。
「今度は魚介も入れてみよっかな~」
わが家でもまだまだ楽しみが広がるグリーンカレー、皆さんも是非作ってみてください。
今回使った自家製調味料
オキアミの甘塩辛
乾燥オキアミと米麹で作る、わが家完全オリジナルの発酵調味料。
仕込んでから1ヶ月程で食べ始められる。
熟成が進むと、味わいも香りも変化していき、発酵好きとしてはたまらない。
魚醤
使わない日はないってくらいに、わが家に定着している発酵調味料。
イワシ、カレイ、ヒラメ、タイ等々、実は何でも魚醤になる。
これはやらない方がいいってポイントをいくつか押さえておけば、成功すること間違いなし!
まずは使ってみたい!って方には、Delfino社のコラトゥーラがおすすめです。